モータースポーツ > Honda Racing Gallery > その他 > IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC
もっともエンジンパワーの上昇はそれ以外の各部に想像以上の負荷を与えることとなり、レースでは致命的になるようなトラブルも多発した。それはレーシングシビックの持病とも言える課題で、車高を下げたためにドライブシャフトに上半角がついてしまい、ギヤボックス側の等速ジョイントやジョイントブーツに負荷がかかって走行不能に陥るというトラブルが多発したのだ。無限はブーツの山を減らして形状を鋭角にしたり、ステンレスのブーツバンドで締めているところにガス抜きを設けて中の圧力が上がらないようにしたりするなどの対応を施し、徐々に信頼性は確保されていった。
無限が開発した車両は、ユーザーチームにも供給されてシビックの戦線は拡大した。カーナンバー100をつけた出光MOTIONシビックはシビックユーザーの中核でありエース的存在であり、先行開発車でありチャンピオン候補筆頭であった。彼らは初戦の西日本こそクラス5位に終わったものの翌戦SUGOで2位に入ると第3戦鈴鹿で優勝、第5戦西仙台ハイランドでも勝ちドライバーズランキングではシリーズ3位となった。メーカータイトルの方はトヨタを6ポイント差で退け、見事4年連続で獲得している。中子と岡田のコンビネーションは次代のEG6に乗り換えても続き、91、92年と連覇を達成している。