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テンロク200馬力オーバーの驚速シビック

1990/IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC (出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー])

VTEC搭載のB16Aエンジンを武器にJTCで高人気を誇ったEF9型シビック

Text/Racing on  Photos/HidenobuTanaka, i-dea

1990/IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC (出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー])

1990年全日本ツーリングカー選手権出場車 No.100 中子修/岡田秀樹

ボディは89年9月にマイナーチェンジを受けたグランドシビックの3ドア新グレード「SiR」そのもの。車高は極限まで下げられ、ルーフエンドスポイラーが装着されている。大きなドアとシビック伝統の台形フォルムが特徴的だが、重量配分はフロントヘビーの傾向が強かったという。

ボディは89年9月にマイナーチェンジを受けたグランドシビックの3ドア新グレード「SiR」そのもの。車高は極限まで下げられ、ルーフエンドスポイラーが装着されている。大きなドアとシビック伝統の台形フォルムが特徴的だが、重量配分はフロントヘビーの傾向が強かったという。

この出光MOTIONシビックは1990年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)、最小排気量クラス(1600cc以下)のディビジョン3で年間2勝を挙げ、Hondaのメーカータイトル獲得に貢献したマシンである。ドライバーは中子修と岡田秀樹で、チームはホンダ陣営のワークス格でありマシン開発を担っていた無限(現M-TEC)であった。

JTCは1985年から93年まで開催され、カテゴリーとしては1982年に施行されたグループA規格のマシンで争われた。グループAという規定はとにかく市販車からの改造範囲が狭く、レース用にエンジンを大幅改造したり派手なエアロパーツを追加したりは認められていなかった。だから3995mmという全長も1680mmという車幅も市販車シビックそのもので、搭載される1595ccのNA直列4気筒エンジンも市販車ベースという範疇を超えないものであった。ただし車重は(規定によって)800kgとなり、エンジンパワーは200馬力を超えるなど随所にレーシングカーとしての素性を秘めている。

内装が剥がされてスパルタンな印象のコクピット。ダッシュボードは市販車からそのまま流用している。

内装が剥がされてスパルタンな印象のコクピット。ダッシュボードは市販車からそのまま流用している。

JTCの9シーズンにシビックは3世代のマシンが登場している。すなわち85〜87年のE-AT型「ワンダーシビック」、88年第2戦〜89年いっぱいのEF3型および90年開幕戦からのEF9型「グランドシビック」、92年第4戦〜93年のEG6型「スポーツシビック」の3種である。グランドシビックの型式違いは搭載エンジンの違いによるもので、前者はワンダー譲りのZC型、後者はショートストロークのB16A型を搭載した。B16Aは90年当初はVTEC機構を搭載せぬまま登場し、信頼性確保のメドが立ち、かつ実戦での優位性が見込まれるやすぐさま投入された。

無限は本田技術研究所から技術支援を受けながらシビックの車体とエンジンをグループA用にチューニングしたうえ、レースの実戦部隊も担当した。エンジン開発は休む間もなく続けられ、ライバルであるトヨタ陣営のカローラ・レビンの進化発展につられるようにエンジンパワーは上昇の一途をたどり続けた。最終的にB16AエンジンはテンロクNAながら230馬力を発生するという領域にまで達し、その開発競争の凄まじさを実感させた。

 

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IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC

1990/出光MOTION無限シビック[4輪/レーサー]

IDEMITSU MOTION MUGEN CIVIC[4輪/レーサー]

SPEC

シャシー

全長×全幅×全高 3995×1680×1300mm
ホイールベース 2500mm
トレッド(前/後) 1440/1445mm
サスペンション
(前後とも)
ダブルウイッシュボーン
トランスミッション 5速MT
車体重量 800kg以上
ステアリング ラック&ピニオン
ブレーキ(前後とも) 油圧式ベンチレーテッドディスク

エンジン

型式 B16A
形式 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量 1595cc
ボア×ストローク(mm) 81.0×77.4mm
最大出力 205ps以上/7800rpm
最大トルク 18.5kg-m/7500rpm

その他

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