モータースポーツ > Honda Racing Gallery > F1 第二期 > McLaren Honda MP4/4
好燃費&ハイパワーのRA168Eエンジンを搭載したマクラーレン・ホンダ MP4/4もまた、88年のレギュレーションとHondaのエンジンに特化したマシンとして製作された。実際このマシンのリーディングエンジニアであるスティーブ・ニコルズは、これまで引きずってきたジョン・バーナード色を棄て、真新しいコンセプトのスペシャルマシンを作り上げたのである。
Honda V6ターボエンジンはFIAの目指したターボ締め出しのレギュレーションを、逆にすべて有利に扱ってみせた。RA168Eエンジンはクランクシャフトセンター位置を28ミリも下げてしまったのだ。これに応えてマクラーレンはワイズマンシステムをベースにした3軸ギアボックスを投入し、車体の重心を一気に下げたのである。これはブラバムからマクラーレンに移籍してきたカリスマデザイナー、ゴードン・マーレイの意見を採用したと言われる。事実、MP4/4のモノコックはそれまでのツインチューブ型を固持する古いスタイルで、太く大きなバーナード型を棄て、細く低いブラバム型に変更された。この年からペダル位置がレギュレーションで後退しているのだが、FIAが定めた150リットル制限が都合よく燃料タンクベイを縮小してくれたので、うまくホイールベース的につじつまが合ったのである。重心位置は大きく低下し、45リットル分の燃料重量が軽減され、3軸ギアボックスは全長を短くされたことで、後部の設計には自由度が増え、前年まで苦しんだエアロダイナミクスの効率を向上させたのだ。低められたモノコックとサイドポッド上面はリアウイングの効率を上げ、絞り込まれたコークパネルと3軸ギアボックスはディフューザー効果を向上させた。
型番 | McLaren Honda MP4/4 |
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デザイナー | スティーブ・ニコルズ |
トランスミッション | マクラーレン製6速 |
ホイールベース | 2875mm |
トレッド(前/後) | 1824mm/1670mm |
サスペンション (前/後) |
ダブルウイッシュボーン+プルロッド/ダブルウイッシュボーン+プッシュロッド |
ダンパー | ショーワ製 |
タイヤ(前) | 11.75インチ(ホイールリム) 13インチ |
タイヤ(後) | 16.3インチ(ホイールリム) 13インチ |
車体重量 | 540kg |
型式 | Honda RA168E |
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排気量 | 1494cc |
形式 | 80度V型6気筒+ツインターボ |
最高出力 | 685馬力 |
最高回転数 | 12300rpm |
燃料供給方式 | PGM-FI 2インジェクター |
スロットル形式 | 2連バタフライ式スロットルバルブ |
点火方式 | CDI |
重量 | 146kg |